January 2024 決 断
空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。
だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。……何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。
(マタイによる福音書6:26+33)
「進路選択に正解はない。決断を恐れず、前進してほしい。」これは、あるアナウンサーの方のことばです。高校時代は野球部に所属し、白球を追いかける日々で、引退後、初めて進路について真剣に考えたそうです。孤独な幼少期に自分を癒してくれたのが、あるテレビ番組だったこともあり、目標をアナウンサーに定め、実現のための前提条件を明確化し、大学を決めたのです。それを、両親にしっかりと伝えます。経済的問題もありながら応援を得て、一日10時間勉強して、見事合格、夢を叶えたとのことです。学生になってからは浅草で人力車を週何日か曳いていたそうです。今自分の心が欲していることを、大切な人と話し合い、その上で決断することが大切だとおっしゃっていました。
さて、「空の鳥」と「野の花」は造られたものすべてを指しています。そして、養い装ってくださる神様の配慮への信頼が呼びかけられています。
不安定な状態の中で、また、悲惨な状態の中で暮らす人々のことを考えると、この言葉は抽象的に思えるかもしれません。しかし、明日は枯れてしまう野の花以上に神は人間を心にかけてくださる方です。日々の出来事に思い煩うことなく、信頼を新たに目標に向かって挑戦していきたいものです。
私たちは、神と富という二人の主人に仕えることはできません。全ての人が自分のために富を蓄えようとするなら、正義は存在しません。富のため、自分だけのためという心に神の愛と力は働かないのです。神の愛は、富を分かち合い連帯と発展へと導くものです。
神の摂理に信頼し、共に神の国を求めるとき、尊厳をもって暮らすに必要なものが備えられるに違いありません。