今月の目標

Monthly Goal

December 2023 感 謝

神は御ひとり子をお与えになるほど、この世を愛された。それは彼を信じる人々がみな亡びることなく永遠の命を受けるためである。

(ヨハネによる福音書3:16)

西暦2000年の始まりのクリスマスの夜を思い出します。わたしはその頃、フランスのリヨン郊外の修道院に滞在していました。そこには、これから修道生活に入りたいと願う方たちがいました。いつものように、たしか1フラン硬貨(ユーロに切り替わる直前でした)を2つ持って坂の上にある教会に向かいました。1枚はミサ中の献金、もう1枚は教会前に帽子を広げて喜捨を求める人たちのためでした。南仏はジプシーやホームレスの方の多い地域です。

ミサが終わって教会の鐘の音に背中を押されるように夜の坂道を降りて修道院への道を急ぎました。夕食後は何も口にしないのが常ですが、この日は暖かいお茶とお菓子が待っています。既にシスターたちの何人かは戻っていて、来客のご婦人と歓談しています。「こんばんは。」わたしもお茶を片手に輪に入り、耳を傾けました。「そうですか。ソーヌ川の上流に車を止めて、そこでご主人と寝起きしているのですね。」「では、あまりゆっくりとできませんね。」…そう、この方は、さっき教会の前で喜捨を求めて立っていた人だったのです…。

これから修道生活を始めようとする若い姉妹が、神が人になったこと(受肉)を祝うクリスマスに、サプライズでそのご婦人をお茶に誘ったのでした。

今年、列聖700年を迎えるドミニコ会士トマス・アクイナスは、「受肉の神秘」とは2千年前に起こったキリストの人間としての誕生のみならず、「神と結びつく」という、すべての人間が持っている驚くべき可能性をも含意しているのだと言っています。

だから、世界中のあらゆるところで、人々は宗教の垣根を超えてクリスマスを祝うのでしょう。人となった幼子を中心に、世界から戦争と憎しみが取り除かれますように。

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