克 己 2024年2月
「あなたたちの天の父が完全であられるように、あなたたちも完全なものとなりなさい。」
(マタイによる福音書5:48)
人間が模倣すべき完全の理想は神ご自身です。福音書は未来に対する待望の中に生きる完全さをたたえています。物資的精神的な完全無欠の保持よりも、神の賜物と愛を受け入れて、これを周囲に伝えることが大切です。主の来臨の日、神のみ前で清く責められることのないものであることを希望しつつ、絶えず準備を怠らない人でありたいものです。
1月1日の能登地方での地震からひと月が経ち、現地では、家族を亡くして失意のうちにある方、地域共同体が分断され、生活が一変した方等さまざまです。わたしたちも祈りと共に現地の方々に寄り添って、どんな支援が必要か問われています。
現地では、飲み水だけでなく、「生活用水」の不足に苦慮なさっています。わたしたちは、水がないと生きていけません。生活用水とは、調理、洗濯、お風呂、掃除、水洗トイレ等、家庭で使用される「家庭用水」と職場や学校、飲食店、ホテル等で使用される「都市活動用水」があります。
以前、修養会で講師の吉村まみ先生が、水を無駄にしないと同時に汚さないことの大切さをお話になりました。生徒の中から具体的にどのように工夫なさっているかとの質問に、先生はたとえばカップラーメンを食べたら、新聞紙かボロ布に汁を吸わせて捨てている、そのまま流さないとおっしゃっていました。汚れた水を浄化するには膨大な別のきれいなお水が必要なのです。
2月の月間目標は「克己」です。ご自分の目標に向かって時間の使い方、人との関わり方、そして、当たり前のように使っている、水、電気、紙など、限りある資源の使い方を見直してみませんか。それと同時に、天の父の完全さに倣い、神の賜物と愛を実行するために能登の方々の困難に向き合いましょう。