校長の言葉

聖ドミニコ学院中学校高等学校

校長 柚木洋子

神よ、あなたに叫ぶわたしにこたえ、
耳を傾けて、願いを聞いてください。
あなたのもとに のがれる者を力強く救い、
いつくしみのわざを現わしてください。
わたしに暴力をふるう者から、
わたしを取り巻き、いのちをねらう者から
ひとみのように わたしを守り、
翼のかげに隠してください。
(詩編17:6~8)

春が巡ってまいりました。新しい出会いの時、希望をもって踏み出しましょう! 3月25日、マリアが天使から受胎告知されたことを祝うお告げの祭日、教皇フランシスコが全教会に断食と祈りを呼びかけられました。ロシアとウクライナをマリア様を通して平和の君であるイエス様にお捧げするためです。

以前、「世界平和への道」と題して政治経済のレポートを書いた生徒がいます。2つの国籍を持つ彼女は「国は本当に必要なのか」と疑問をいだくようになりました。国境があるから、独裁や国内外の紛争が起こり、難民問題が生まれるのではないか。「地球民」の考えが広まれば、世界平和が訪れるのではないか。ただ完全に国をなくしたらそれぞれの文化が消えてしまうかもしれない。そこで、国の単位を保ちながら他国をつなげているEUのシステムを全世界に適応できないかと考え、仮にWUとして完成された場合の6つのメリットを挙げています。戦争がなくなり、国際協力の機会が増え、格差がなくなる。また、移動が容易になり、人種差別がなくなり、難民問題がなくなるのではないか。ボーダレス化によって難民はどこの国にでも行けるし、国際刑事裁判所を活用させれば独裁者が権力を握ることも阻止できるのではと述べています。

彼女の考えはキリスト教の隣人愛に基づき、自国の利益より他国を、世界を、地球を愛するという考え方を人々に広めていくとも述べられています。隣人愛とは民族・宗教・言語の違いを超えた愛です。「小規模の平和と小規模の平和が合わされば。中規模の平和ができる。中規模の平和と中規模の平和が合わされば大規模の平和ができる」とは彼女と語り合った友人の言葉です。

地球民である私たちにとって平和を築くために求められていることは何か一人ひとりが自分の立場から見出していくことが大切だと思います。