高校3年生・探究の集大成―「問い続ける力」が会場を満たした発表会―
先日、高校3年生にとって最後となる「総合的な探究の時間」において、代表者による発表会を実施しました。これまで各自が設定してきた問いと真摯に向き合い、試行錯誤を重ねてきた成果を共有する、まさに集大成の時間となりました。
発表テーマは実に多彩でした。地域の魅力をいかに再発見し、次世代へとつないでいくか。若者の投票率を高めるために、私たちは何ができるのか。人の目はどのように世界を捉え、色を認識しているのか。ICT教育は学びをどう変え、どこへ向かうのか。さらに、音楽が人の心にどのように作用するのか――。いずれの発表も、身近な疑問から出発し、資料やデータ、実験・調査を踏まえて深く掘り下げられており、高校生ならではの視点と粘り強い思考が随所に光っていました。

会場では、発表を行う3年生だけでなく、聴講していた他の3年生、そしてゲストとして参加した2年生も、身を乗り出すように発表に耳を傾けていました。問いに対する仮説の立て方や考察の広がりに、うなずきやメモを取る姿が見られ、学年を超えて学びが共有される貴重な機会となりました。
「答えを覚える」学びから、「問いを立て、考え抜く」学びへ。探究の時間を通して育まれた思考力や表現力は、これからそれぞれが進む進路や社会の中で、確かな力として生かされていくはずです。発表を終えた3年生の表情には、達成感と次への一歩を見据える静かな自信が感じられました。

